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2025.10.16コラム
顔の赤みやほてり、にきびのようなブツブツが長く続く「赤ら顔(酒さ)」。
鏡を見るたびに気になったり、メイクで隠しても治らなかったりと、つらい思いをしている方も多いのではないでしょうか。
酒さは単なる肌荒れではなく、慢性的な炎症による皮膚疾患です。適切な治療やスキンケアによって症状を和らげることができる一方、誤ったケアで悪化してしまうこともあります。
この記事では、酒さの原因・症状のタイプ・治療法・日常生活でできるセルフケアをわかりやすく解説します。
「赤ら顔が治らない」「どこに相談すればいいかわからない」という方は、ぜひ最後までお読みください。
赤ら顔の正体ともいえる「酒さ」は、単なる肌荒れやニキビではなく、慢性的な炎症による皮膚疾患です。
まずはどのようなタイプがあるのか、そしてなぜ発症するのかを正しく理解することが改善の第一歩です。
ここでは、酒さの主な症状タイプと悪化を招く要因を順に見ていきましょう。
酒さ(しゅさ/rosacea)は、顔の中心(頬・鼻・額・あごなど)に赤み・ほてり・ブツブツ(丘疹)が長く続く慢性的な皮膚疾患です。
30〜60代に多く、女性に多い傾向があります。単なるニキビや肌荒れとは異なり、毛細血管の拡張や皮膚の炎症が関係していると考えられています。
日本皮膚科学会の診療ガイドラインでは、酒さは原因不明の慢性炎症性皮膚疾患と定義され、症状が出たり治まったりを繰り返すのが特徴です。
重症化すると見た目の赤みだけでなく、痛みや熱感、皮膚のざらつき、眼の違和感が現れることもあります。
酒さにはいくつかのタイプがあり、人によって現れる症状が異なります。
これらのタイプが単独で現れることもあれば、複数が重なっているケースもあります。
酒さの原因は完全には解明されていませんが、以下のような要因が関係していると考えられています。
特に「肌の刺激」と「血管の拡張」を繰り返すことで症状が慢性化しやすくなるため、スキンケアや生活習慣の見直しが重要になります。
酒さは自然に治る病気ではなく、医師の診断と治療を受けることで症状をコントロールしていくことが重要です。ここでは、皮膚科で行われる主な治療法を3つの段階に分けて紹介します。
最も一般的な治療法が、皮膚の炎症や赤みを鎮める外用薬です。
薬剤名 | 主な作用・特徴 | 保険適用 | 留意点 |
---|---|---|---|
メトロニダゾール外用薬(ロゼックス®ゲル) | 炎症と赤みを抑える。抗菌・抗炎症。 | あり | 副作用が少なく長期使用可。 |
タクロリムス軟膏 | 免疫反応を整え炎症を抑制。非ステロイド。 | あり | 一時的に刺激感が出ることあり。 |
イベルメクチン外用薬 | ニキビダニを抑え炎症を軽減。 | なし(自費) | 効果は2〜4週間で実感しやすい。 |
アゼライン酸外用薬 | 皮脂・角質を整え赤みやブツブツを改善。 | なし(自費) | 妊娠中も使用可、刺激に注意。 |
このように、外用薬は症状のタイプ(紅斑型、丘疹膿疱型など)や肌質に合わせて使い分けられます。
症状が中等度以上になると、飲み薬を併用して炎症を内側から抑えます。
抗菌薬(テトラサイクリン系やマクロライド系など)は、皮膚の炎症を鎮める目的で使用され、数週間から数ヶ月かけて効果を発揮します。
抗菌作用だけでなく抗炎症作用を併せ持つため、肌の赤みを穏やかにしていく効果が期待できます。
重症例では、皮脂の過剰分泌や角質の異常を抑える「イソトレチノイン(ビタミンA誘導体)」が検討されることもあります。
少量を慎重に投与することで皮膚環境を改善しますが、妊娠中や授乳中には使用できず、定期的な血液検査が必要となります。
外用薬や内服薬だけでは取りきれない顔の赤みには、レーザーや光による治療が有効です。
拡張した毛細血管に直接働きかけ、血流の過剰を抑えることで赤みを改善します。
代表的なのが「パルス染料レーザー(PDL)」で、血液中のヘモグロビンに反応し、表層の血管を収縮させます。
比較的浅い部分の赤みに効果が高く、紅斑型の酒さに多く用いられます。
もう一つの「長パルスYAGレーザー」は、より深い血管に届くため、頑固な赤みや鼻周りの赤黒さにも対応できます。
さらに、光のエネルギーをマイルドに照射する「IPL(光治療)」も有効な選択肢です。
炎症を抑えながら、肌全体のトーンを整える作用も期待できるため、美容皮膚科では酒さ治療と同時に肌質改善を目的として採用されています。
酒さは、治療と同じくらい日常のセルフケアが重要です。
外用薬やレーザーで症状を抑えても、日々の生活習慣やスキンケアが適切でなければ再発しやすくなります。
ここでは、肌を穏やかに保ち、症状の再燃を防ぐためのポイントを紹介します。
酒さの肌は非常にデリケートです。洗顔は「優しく・短く・ぬるま湯で」を意識しましょう。
洗浄力の強い洗顔料やスクラブは避け、泡で包み込むように洗うのが理想です。
さらに洗顔後は、刺激の少ない保湿剤でしっかり保湿することが大切です。
アルコールや香料を含まない低刺激タイプを選び、セラミドなどの保湿成分を含むものを使うと、バリア機能の回復をサポートできます。
紫外線は酒さを悪化させる大きな要因です。
季節を問わず、外出時はSPF20〜30程度の日焼け止めを使用しましょう。
肌が敏感な場合は、紫外線吸収剤を含まない「ノンケミカルタイプ」を選ぶと刺激が少なく安心です。
また、日傘や帽子で物理的に日差しを遮るのも効果的です。
赤みを隠すためのメイクは、グリーン系の化粧下地を使うと自然にトーンを整えられます。
ファンデーションは低刺激処方のリキッドタイプが推奨されます。
クレンジング時も、摩擦を避けて短時間で優しく落とすようにしましょう。
生活の中で「顔がほてる原因」を避けることも大切です。
気温差の大きい環境では、マフラーやマスクで顔を保護しましょう。
辛い料理やアルコール、熱い飲み物は血管拡張を促すため、摂取を控えめにします。
また、ストレスや睡眠不足も悪化の要因です。
リラックスできる時間を意識的に取り入れ、規則正しい生活リズムを保つことが、肌の安定につながります。
酒さは、ニキビや肌荒れと間違われやすい病気ですが、自己判断で市販薬を使ったり、刺激の強いスキンケアを続けたりすると、かえって症状が悪化することがあります。
特に長引く赤みやヒリヒリ感、皮膚のざらつきが続く場合は、皮膚科専門医の診断を受けることが大切です。
皮膚科では、酒さのタイプを見極め、外用薬や内服薬、レーザー治療などを組み合わせた総合的な治療プランを提案してもらえます。
また、医師の指導のもとでスキンケア方法を見直すことで、再発を防ぐことにもつながります。
診察の際は、いつから症状が出ているか、どんな時に赤みが強くなるか、使っている化粧品や洗顔料なども併せて伝えると、より適切な治療を受けやすくなります。
酒さは慢性的に経過する疾患ですが、「治らない病気」ではありません。
正しい治療と生活改善を続けることで、見た目の赤みや炎症を大幅にコントロールできるケースが多くあります。
酒さ(赤ら顔)は、体質や環境、生活習慣など複数の要因が重なって起こる皮膚疾患ですが、医師の指導のもとで適切に治療を行い、セルフケアを継続することで症状を和らげることが可能です。
外用薬や内服薬、レーザー治療などを組み合わせ、日々のスキンケアや生活習慣を整えることで、赤みや炎症を徐々にコントロールできるようになります。
2024年10月に開院したはなふさクリニック 静岡院は、全国に展開する「はなふさ皮膚科グループ」の15院目として誕生した形成外科・皮膚科・美容皮膚科を併設するクリニックです。
院長の青山昌平医師をはじめ、経験豊富な専門医が在籍し、患者一人ひとりの肌の悩みに寄り添いながら、医学的根拠に基づいた安全で効果的な治療を行っています。
特に酒さ(赤ら顔)やニキビ跡、毛穴治療の分野で豊富な実績を持ち、全国から患者が訪れるクリニックです。
診療では、シミ・しわ・ニキビ・薄毛などの美容皮膚科治療から、保険診療による一般皮膚科まで幅広く対応しています。
静岡市周辺で赤ら顔や酒さに悩んでいる方は、ぜひはなふさクリニック 静岡院へ相談してみてください。
専門医の診断と丁寧な治療で、肌の悩みを解消し、明るい素肌を取り戻すサポートを受けられます。