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2025.09.20コラム
最近、髪が薄くなってきた…。そんなお悩みをお持ちの方も少なくないでしょう。
同じ薄毛の症状でも、AGAや女性型脱毛症など症状によって原因が異なり、適した治療法も異なります。
本記事では、以下のポイントについて詳しく解説いたします。
AGA(男性型脱毛症)は、ホルモンの働きによって髪の毛のサイクルが乱れることによって表れる薄毛・脱毛症状のことです。
成人男性の約30%程度がAGAになると言われ、20代後半~30代にかけて顕著に見られます。
AGAはDHT(ジヒドロテストステロン)が原因で、DHTは男性ホルモンのテストステロンと5a-還元酵素が結びつくことで生まれます。
DHTは髪の毛の成長サイクルを乱す作用があり、髪の毛の成長期間が短縮され、健康な髪の毛を作る力が衰えてしまいます。
その結果、段々と髪の毛が弱く細くなり、症状が進行すると髪の毛が生えなくなることも。
5a-還元酵素は前頭部と頭頂部に多く存在するため、AGAになると生え際や頭頂部などから薄毛になりやすくなります。
AGAによる薄毛の症状の表れ方にはいくつかのパターンがありますが、側頭部や後頭部の髪の毛は残りやすいのが特徴です。
女性型脱毛症は、AGAとは異なり原因は多岐に渡ります。
以前は女性型脱毛症も本質的には男性ホルモンが関わるAGAと同じ症状と考えられており、FAGA(女性のAGA)とも呼ばれていましたが、DHTに作用するフィナステリドの効果があまりないことから現在では別の症状と考えられています。
たとえば、びまん性脱毛症は栄養不足や疾患、出産等ホルモンバランスの変化など様々な要素が関係していると考えられています。
分娩後脱毛症や更年期以降の薄毛の症状など、女性ホルモンのバランスが崩れることで起こる脱毛症もあります。
一方で、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を合併して起こる脱毛症の場合は男性ホルモンが関与していることが多く、AGAと同様の治療が行われることも。
遺伝的な要素も強く、ひとことで「女性型脱毛症の原因はこれ!」と言えないのが現状です。
はなふさ皮膚科 静岡院では、AGAや女性型脱毛症の治療法を多数ご案内しています。
こちらではそれぞれの症状に合わせた最新の治療法をご紹介していきます。
AGAの治療、特に内服薬は男性ホルモンに関わる作用をする薬剤が多く用いられています。
こちらでは、内服薬、外用薬、注入医療について詳しくご紹介いたします。
フィナステリド(プロペシア)は、AGAの原因であるDHTの産生を抑制する効果がある内服薬です。
アメリカの製薬会社メルクが開発し、もともとは前立腺肥大の治療薬として用いられてきましたが毛髪成長効果が表れたことで改良を行い。アメリカでは1997年、日本では2005年に承認を得てAGA治療薬として販売されました。
DHTは、男性ホルモンのテストステロンが5a-還元酵素と結びつくことで生まれます。フィナステリドは5a-還元酵素2型を阻害し、DHTを抑制してくれるため、AGAの基本的な治療薬として世界中で広く用いられています。
フィナステリドの効果が分かる治療成績の事例をご紹介します。
内服方法:1日に1回決まった時間に1錠内服
容量:フィナステリド1mg
このように、フィナステリドを長期間服用することでAGAの進行を予防し、薄毛症状の改善が期待できることが分かります。
デュタステリドは、フィナステリドと同じくAGAの原因であるDHTの産生を抑制する作用のある薬剤です。
フィナステリドは5a-還元酵素2型のみを阻害しますが、デュタステリドは5a-還元酵素1型・2型両方を阻害します。
また、半減時間も長いため症状によっては効果を高く感じるケースもあるようです。
フィナステリドで効果が十分でなかった場合にデュタステリドに切り替える方が多いです。
デュタステリドは0.1mg、0.5mgがあり、より高い効果が期待できる0.5mgを内服するのが一般的です。
フィナステリド、デュタステリドともに確率は高くないものの、性欲減退等の副作用がまれに出ることがあります。服用中に異変を感じたら医師や医療機関へご相談ください。
ミノキシジルは頭皮に塗布する外用薬です。
ミノキシジルには血管拡張作用があり、頭皮の血行を促進することで毛母細胞に働きかけ、休止期毛から成長毛包への移行促進、後期成長期毛への促進が期待できます。
ミノキシジル外用薬は2%と5%の濃度があり、症状の程度や体質等に合わせて使い分けます。
ミノキシジルは内服薬もありますが、基本的に以下の理由から外用薬としての使用の方が多い傾向にあります。
HARG療法とは、エクソソームを豊富に含む幹細胞培養製剤ASCE+HRLVを溶解したものを頭皮に直接注入する治療法です。
直接幹細胞培養製剤を注入することで、毛母細胞()や周囲の幹細胞を刺激して、毛根の再生を促す効果が期待できます。
HARG療法で使用する製剤は、成人の脂肪幹細胞から抽出したタンパク質を培養し精製したものです。
これらのタンパク質には、各種成長因子が豊富に含まれておりますが、HARG療法だけでは大幅な改善効果を得ることが難しく、投薬治療などと併用することでより大きな相乗効果を発揮するケースが多いのが現状です。
そのため、はなふさ皮膚科では、HARG療法をご利用の方には薄毛の症状や考えられる原因に合わせた内服薬や外用薬を必要に応じて無料で提供しております。
AGAなど男性ホルモンが原因の場合は、内服薬としてフィナステリド(プロペシア)を、頭皮の結構が極端に低下している場合は外用薬としてミノキシジルの使用を提案することが多いです。
HARG療法と合わせると効果的な治療薬等(男性の場合)
保険適用の治療(塩化カロプロニウム外用)
院では保険適用の薄毛治療として、 塩化カロプロニウム外用薬もご用意しております。
塩化カロプロニウムは、以下の作用・機能が認められています。
※ AGAの患者様は男性ホルモンの影響で治療後しばらくすると、症状が再発する恐れがあります。治療後もフィナステリド(プロペシア)の服用をおすすめします。
女性型脱毛症は、AGAとは異なり様々な原因があると考えられています。
そのため、治療法も研究段階にありますが、こちらでは現在はなふさ皮膚科で提供している女性型脱毛症の治療法についてご紹介いたします。
頭皮に塗布するタイプの外用薬です。ミノキシジルはホルモンに作用するのではなく、頭皮を血行促進させることで毛母細胞等に働きかける薬剤なので、女性型脱毛症の治療にもよく使われています。
毛サイクルを活性化させ、維持することで細い毛を太い毛を成長させる効果が期待できます。
女性型脱毛症の場合は、2%と低濃度の薬剤を治療に用いることが多いです。
パントガール(Pantogar)は女性型脱毛症に用いられる内服薬で、びまん性脱毛症などの治療に用いられています。
ドイツのメルツ社が開発した薬剤で、パントテン酸カルシウム、L-システイン、ケラチン、薬用酵母、ビタミンB群など髪の毛を作る成分や、ハリやコシがある髪にするための成分が配合されているのが特徴。
基本的には毎食後1カプセルごと服用します。(1日3カプセル)
先ほどご紹介した通り、ミノキシジルは基本的に外用薬として用いられます。
ただ、女性型脱毛症はフィナステリドが作用しないケースが多く、症状が重度かつ他の治療で効果が出ないという場合に限りミノキシジル内服薬をご案内するケースがあります。
内服薬としては2.5mgの低用量のものを使用しますが、心疾患など持病がある場合は服用が推奨できないこともあります。
女性型脱毛症の治療にも、 幹細胞培養製剤ASCE+HRLVを頭皮に直接注入するHARG療法は有効とされています。
女性型脱毛症の場合、HARG療法中に提供する薬剤は以下のものとなります。
HARG療法と合わせると効果的な治療薬等(女性の場合)
その他、保険適用の治療法として塩化カロプロニウム外用などのご用意もございます。
目的やご予算に応じて最適な治療法をご提案させていただきますので、まずはお気軽にご相談ください。
AGAや女性型脱毛症は自然治癒やセルフケアでは改善が難しく、医療機関での治療が推奨されます。
はなふさ皮膚科は日本医療毛髪再生研究会の正規認定施設です。
今回ご紹介したAGAや女性型脱毛症だけでなく、前頭繊維性脱毛症、円形脱毛症、瘢痕性脱毛症など様々な脱毛症の治療法をご用意しております。
薄毛・AGA治療でご不明な点がございましたら、お気軽にカウンセリングなどでご相談くださいませ。